高橋 雄文
abstract
宇宙機の位置や速度を計算する際には，様々な要因から計算誤差が発生する．その誤差発生要因のうち，本研究では運動方程式を時間積分していく際に数値スキームの精度が原因となり発生するものを対象としている．この種類の誤差というものは，物理的に完全な数理モデルが与えられた場合においても，かならず発生するものである．したがって，宇宙機の状態に関する解析結果を内在するはずの誤差という観点から吟味する必要がある．ところが，その誤差の大きさを定量的に評価もしくは予想する方法は存在しない．したがって，軌道計算におけるそういった誤差の発生および蓄積を，軌道の特徴（e.g., 軌道長半径，離心率）や解析条件（e.g., 解析スパン，数値スキーム）などによって特徴づけて定式化することを本研究では目的としている．
Key Words 軌道計算，大局的誤差，数値解析