相乗り小型副衛星を利用した宇宙環境計測

 
「デブリ環境の“その場”認識」を意味する英語の頭文字を並べたIDEA(In-situ Debris Environmental Awareness)計画では,微小デブリ(サイズ100 umから2 mm程度まで)の衝突により薄膜に形成される孔のサイズを一定時間間隔で計測するスペースデブリモニター(JAXAが,有限会社QPS研究所と株式会社IHIの共有特許に基づき研究開発した.以下「SDM」と略す)を搭載した小型副衛星を軌道上に配置する.この研究では,既知の人工天体を参考に,SDMに衝突する人工天体の軌道を調査・分析し,SDMに衝突する人工天体の軌道に当てはまる簡単な拘束方程式を見出した. 拘束方程式の誤差要因を解析し,実際の計測に拘束方程式を適用するためのミッション要求を明らかにした.また,この拘束方程式を応用することで,破砕の起源を推定できることを理論的に明らかにした. IDEA計画の意義・理念に共感した株式会社アストロスケールは,オーエスジー株式会社の支援を得て,この研究の成果に基づき小型副衛星IDEA OSG 1を開発・製造し,平成28年度下半期に打ち上げる予定である.