スペースデブリ環境推移モデル

 
軌道環境の保全を議論するためには50年から100年以上といった長期に亘って軌道環境の推移を記述する計算モデルが必要となる.この研究では,静止軌道領域(平均運動0.9周回/日以上1.1周回/日以下,離心率0.1以下,軌道傾斜角20度以下)のスペースデブリ環境について,粒子衝突実験並びに数値シミュレーションの両面から研究を進め,独自に研究開発した静止軌道領域スペースデブリ環境推移モデル(GEODEEM)と,地球低軌道(高度2,000 km以下)のスペースデブリ環境について,宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」と略す)と共同で研究開発した.
地球低軌道領域スペースデブリ環境推移モデル(LEODEEM)を統合し,地球周回スペースデブリ環境推移モデル(NEODEEM)を研究開発した. 国際機関間スペースデブリ調整委員会が起案した研究である “An Assessment of the Current LEO Debris Environment,” “Stability of the Future LEO Environment,” “Benefits of Active Debris Removal in LEO” に参画するなど,NEODEEMは日本が世界的な議論に参加する際に日本独自のスペースデブリ環境推移モデルとして活用されている.