space debris

衝突破砕実験

NASAは1960年代の技術で製作された衛星の衝突破砕実験を行い,その結果から破片の特性を記述するNASA標準破砕モデルを作成しました.しかし,最近の衛星破壊事故では、このモデルでは説明できない破片が報告されています.この研究では、小型衛星模型を使用して衝突破砕実験を行い,金属と複合材から分裂した破片が独立したピークを形成することが明らかになりました.
 
 
 

スペースデブリ環境推移モデル

長期にわたる軌道環境の推移を記述するために、静止軌道と地球低軌道のスペースデブリ環境に関する研究が行われ、それらを統合した地球周回スペースデブリ環境推移モデル(NEODEEM)が開発されました。NEODEEMは国際的な議論に参加する際に日本が活用されています。
 
 

未知スペースデブリの効率的な探索方法

静止軌道領域におけるスペースデブリの増殖は、破砕による内部エネルギーの解放が主な原因である。この研究では、破砕モデルと軌道伝播モデルを組み合わせ、未知スペースデブリの存在確率と移動量を予測する手法を開発した。また、光学望遠鏡を使用して明るい未知スペースデブリの追跡観測と起源同定を行い、連続画像上で暗い未知スペースデブリを検出することにも成功した。
 
 

相乗り小型副衛星を利用した宇宙環境計測

IDEA計画では、微小デブリの衝突による孔のサイズを計測するスペースデブリモニター(SDM)を搭載した小型副衛星を軌道上に配置することで、デブリ環境を認識することを目指している。この研究では、SDMに衝突する人工天体の軌道を調査し、拘束方程式を見出し、破砕の起源を推定することができることを明らかにした。アストロスケールはこの研究を基にした小型副衛星IDEA OSG 1を開発し、平成28年度下半期に打ち上げる予定である。
 
 
(文責:花田俊也)

協力研究機関

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